やり過ごす

この「やり過ごす」という言葉。
すごく素敵な優しい寄り添いの言葉だなって思っています。

少し脱線しますが。
私は頭皮冷却という頭皮を冷やしながら、
抗がん剤治療をする治療法を治験として受けました。
→私の行ってる病院が治験段階なだけで、
治験の終わった病院は通常治療の一つとして盛り込まれているようです。

頭皮冷却することで、
髪の毛の抜けを最小限にし、生えてくるスピードも早まるというものです。
前後合わせて4時間くらい冷却装置を頭に装着して
感覚がなくなるまで頭をキンキンに冷やします。
抜け具合、生え具合は個人差がありますが、
私は髪の毛はほぼ抜けました。
冷やしてないまつ毛、眉毛はもちろん抜けました。
けど、治療前半から抜け始めて、後半からもう毛が生え始め、
放射線治療の時には長さは当然ないものの、
フサフサだった気がします。
そんな治療中に頭皮冷却の
治験を担当する先生が

私に毎回言ってくれるんです。
「頑張りましょう」
でもなく、
「頑張って!」
でもなく、

「今回もどうにかやり過ごしてくださいね。」

と。
初めて言われた時、
なんて素晴らしい、優しい言葉なんだろうってすごく思いました。

師匠にも
治療は嫌な授業を受けるかのように淡々と
「こなす」という感覚で、その先にある楽しい方を見ましょうと
毎回言ってもらいました。

頭皮冷却ね、
まぁ〜寒い。激サムです。

抗がん剤治療しながら頭もキンキンに冷えて。
湯たんぽ抱えて、ひたすらやり過ごしました。

後半の薬は頭に加え、手足も冷やした方が
副作用が少ないって言われてるようで
トライしてみましたが、もう寒くて離脱。無理だった〜

けど、ありがたいことに私の周りに
こんな優しい声かけをしてくれる方がいたので、
私が気だけは元気でいられたのだと思います。

日本語って素晴らしいですね。